「なぜ人は離婚するのか、離婚したあとはどうなるのか」をテーマに、経済学の視点を交え、さまざまな角度から離婚について深く考える本書『離婚の経済学 愛と別れの倫理』。今回は国際比較上から日本の離婚について考える第2章「離婚の国際比較」より、近年離婚率が減少する欧米の男女関係の変遷について述べた部分を抜粋して紹介します。 減少する離婚率...そのワケとは? 離婚率が1970年代から80年代にかけて、多くの国において急上昇したのであるが、21世紀に入るといくつかの国、特に先進国において減少の傾向を見せる国が出てきた。アメリカは図2―1で示した通りであるが、イギリス、ドイツ、フランスなどもそれに似たパターンを示した。 その1つの大きな理由は、そもそも結婚する人の数が減少する時代に入ったので、離婚の数も減少する時代になった、というのがここでの結論である。なお日本もここ数年はやや離婚率の低下が見られるが
俳優の東出昌夫と女優の唐田えりかの不倫に対し厳しい反応を見せている日本。しかし愛の国・フランスでは、「不倫よりもセックスレスのほうがタブー」であるという興味深い考察が、2018年に発刊されたフランスの社会学者ジャニーヌ・モシュ=ラヴォの著書『フランスの性生活』(未邦訳)に記されている。 モシュ=ラヴォは、2000年と2017年に調査をそれぞれ1年かけて実施し、フランス全土のさまざまな社会階層の男女65人(19~85歳)にインタビューした。調査の結果によると、2000年から2017年にかけて人々はセックスについてよりオープンに話すようになり、「不倫もあって当然」という認識が広がり、「1人が同時に2人を愛する権利を求める」声もあったという。 こうしたことを踏まえ、本著では、フランス人にとってはセックスレスのほうが不倫よりも受け入れがたいという結論が導きだされているわけだが、実際にそうなのだろう
ここ数年で男女平等を力強く推進し、短期間のうちに「グローバルジェンダーギャップ」のランキングを駆け上がったフランス。本連載「フランスに探る男女連携社会の作り方」は男女の〈連携〉の在り方を同国に学ぶ。 (これまでの連載記事はこちらから) 結婚する理由が分からない 少子高齢化が深刻な日本では、その要因に「非婚化」が挙げられることが多い。 結婚を増やせば子どもも増える、との前提で、自治体レベルで婚活をサポートする話も良く聞く。そしてそのたびに筆者は「本当にそうなのか?」と疑問を抱く。それは筆者が日本より非婚が進み、かつ出生率の高いフランスに住んでいるからだ。 2017年、フランスの新生児出生数は76万9000人、日本は94万1000人。フランスの総人口は日本の約半数だが(6677万人)、年間出生数の差は20万人にも満たない。人口1000人あたりの出生率を見ると、フランス11.5に対し日本は7.5
南仏で暮らしていたころに知り合った、あるカップルがいます。この2人、「紙切れ1枚に縛られたくない、愛する人と暮らすことに意味がある」と、同棲を始めてから20年間の事実婚を継続しています。化粧品会社勤務の妻の実家は、ワインのシャトーと山持ちの名家で、夫は自動車整備工。そして、リセ(高校)の娘と中学生の息子、どちらも婚外子ということになります。 でも、フランスにおいては「それがどうした?」です。 生まれる子どもの「半数以上」が婚外子のフランス フランスでは、年間の出生数の半数以上が、婚外子。日本での“わけありイメージ”なんて、どこにもありません。加えて、日本では大スキャンダルとなる有名人の不倫沙汰など、ニュースバリューがないのか、大きく報じられることはありません。かくしてフランスは、不倫と婚外子が氾濫する、「自由恋愛の放埓な国」という、世界に冠たる“栄誉”を担うこととなったのです。 フランス人
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