「なぜ人は離婚するのか、離婚したあとはどうなるのか」をテーマに、経済学の視点を交え、さまざまな角度から離婚について深く考える本書『離婚の経済学 愛と別れの倫理』。今回は国際比較上から日本の離婚について考える第2章「離婚の国際比較」より、近年離婚率が減少する欧米の男女関係の変遷について述べた部分を抜粋して紹介します。 減少する離婚率...そのワケとは? 離婚率が1970年代から80年代にかけて、多くの国において急上昇したのであるが、21世紀に入るといくつかの国、特に先進国において減少の傾向を見せる国が出てきた。アメリカは図2―1で示した通りであるが、イギリス、ドイツ、フランスなどもそれに似たパターンを示した。 その1つの大きな理由は、そもそも結婚する人の数が減少する時代に入ったので、離婚の数も減少する時代になった、というのがここでの結論である。なお日本もここ数年はやや離婚率の低下が見られるが