英語のアクセントやなまりにフェティシズムを見出す日本人は果たしてどれぐらいいるのだろう? 決してメジャーな嗜好(しこう)ではないのは目に見えているが、だからといって心当たりのある人も決して皆無ではないだろう。英語に限らず、言語の魅力というのはその音、響きに凝縮されている。フランス語の優雅さやドイツ語の格調高さ、ラテン系言語の情感の豊かさなど、言語はその国、その地域の文化を真っ先に象徴するものであり、それに惹(ひ)かれて語学を志す人も多い。かくいう私も、そうした世界の言語に魅了され、特に英語における数々の特徴あるなまりに過剰なフェティシズムを見出す人間の一人である。 今回紹介したいのは、英語の中でもその特異さがあまりにも有名な“オーストラリア英語(Aussie English)”。激しく癖のある独特な発音は、英語を習得している人間でも理解するのが難しい。オーストラリアで作られた映画が北米など