可憐な白い花を咲かせるイワショウブの仲間Triantha occidentalis。茎には、虫を捕らえる粘着質の毛が生えている。(PHOTOGRAPH BY BOB SWEATT) 真夏に北米西海岸の山の中を歩いていると、沼地でよく見かける花がある。濃い緑色の花茎に控えめな白い花を咲かせるイワショウブの仲間、Triantha occidentalis(チシマゼキショウ科イワショウブ属)だ。 最新の研究で、この植物の知られざる秘密が明らかになった。食虫植物だったのだ。(参考記事:「【動画】食虫植物は両生類も食べる、「釜ゆで」か」) きっかけは、研究者のチェンシ・リン氏がカナダ、ブリティッシュ・コロンビア大学の学生だったころに、別の学生から聞いた話だった。Triantha occidentalisの茎には、モウセンゴケが虫を捕まえるのに使うわなに似た、粘着構造があるという。 Triantha