前回は、文字コードの引き起こす問題がソフトウェアの処理上だけでなく、人間に対する視覚的な効果という点でも強く影響を与え、攻撃者にとっての強力な道具となることがある、という点について説明しました。今回も前回に引き続き、そのような文字コードが引き起こす視覚的な問題点について説明します。 拡張子の偽装 Unicodeを利用したWindowsにおける拡張子の偽装は、文字コードを利用した視覚的な攻撃の中でも特にインパクトの大きいものだと思います。 Unicodeには多数の文字に加え、さまざまな制御も収録されています。そのような制御コードのうち、U+202E「RIGHT-TO-LEFT OVERRIDE」(RLO)と呼ばれる文字をファイル名に含めることで、見かけ上の拡張子を簡単に偽装することができます。 たとえば、copy-txt.exeという名前の実行可能ファイルがあったとします。 図1 copy
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