都立バイオ研究所の研究チームは、発光物質「ルシフェリン」を生成しない無発光のホタルを誕生させた。実験によると、この「光らないホタル」は、ホタルとしての自信を奪われたため、普通のホタルに比べて内向的で対蛍関係が希薄になるという。論文は英科学誌「フェノメノン」9・10月合併号に掲載される。 科学界では今「光る動物」がブームだ。光るクラゲから抽出した緑色蛍光たんぱく質(GFP)の遺伝子をさまざまな動物の遺伝子に挿入し、組み込んだ遺伝子の発現状況を調べる実験が近年盛んに行われており、先日も後天性免疫不全症候群(AIDS)を遺伝子レベルで予防する研究の過程で「光る猫」が誕生したことは記憶に新しい。 GFPは、08年にノーベル化学賞を受賞した下村脩博士が光るクラゲからの抽出に初めて成功した物質。この技術を使って発光させた動物として、すでに光るハエやマウス、蛾、孫正義などが生まれている。今回の実験で作ら