2012/6/259:0 離別父親の実態と養育費施策のありかた 大石亜希子 日本の母子世帯の貧困率は50%以上とOECD諸国の中でも突出して高い。その理由の一つとして、離別した父親からの養育費の受け取りが少ないという問題がある。日本の母子世帯のうち、離別した父親から養育費を受け取っているのは19%に過ぎない。アメリカでは、離別母親の56.9%は養育費支払い命令(Child Support Order)に基づく養育費受給権を持ち、37.5%が養育費を実際に受けている(2007年の数値、Huang(2011)による)。これと比較しても、日本の養育費受給率の低さは顕著である。 それではなぜ離別した父親からの養育費の受け取りが進まないのであろうか。その理由を考察するにあたっては、2つのアプローチが可能なように思われる。 ひとつは、制度面からのアプローチであり、主として法学的な観点から、協議離婚の際