「和弓の特徴」といえば、その長さ、つまり全長を想起する人も多いだろう。 事実、同時代で見ても、また時代を問わず「弓」という道具として見ても和弓の全長はきわめて長い部類に入り、標準的なもので七尺三寸、つまり約221cmである。ちなみに鎌倉時代から江戸時代にかけての標準的な弓は七尺五寸と言われ、さらに長大であったことになる。 和弓の特徴は見た目だけではなく、引き方にも違いがある。 弓を把持するポイントは弓の下半分に位置し、「上長下短」となる。また、和弓には射撃時の特徴的な動きがあり、それは矢を放ったあとの弓が、把持する左手を軸に背中側に向かって回転する「弓返り(ゆがえり)」と呼ばれる動作で、洋弓には見られないものだ。 これは、矢を弓のどちら側につがえているかの違いであり、洋弓は弓の左側に、和弓は右側につがえている。この状態で「弓返り」が正しく起こらない場合、矢は弓と接しているために大きく右側に