所有者不明土地の背景 2017年に民間の研究機関が発表した調査によると、九州に匹敵する広大な面積の土地が所有者不明になっているそうです。これ、実は結構大変な問題で、例えば大規模な公共事業を行おうとしても、候補土地の所有者を探し出して整理するだけで、膨大な時間とコストがかかるということです。 2006年以降、政府は所有者不明の土地の利用を促進し、所有者の捜索を迅速に行うことを試みています。2021年3月に国会に提出された「所有者不明の土地の発生を防ぐための法案」が、こういった課題に対する改めての問題提起や社会認知の向上につながればと期待します。相続登記の義務化や相続した土地の所有権放棄を認めるなどの新制度の採択も課題解決の良き流れです。 所有者不明土地とは? 不動産登記簿上で所有者がすぐに判明しない、あるいは所有者が判明しても居住地が不明で連絡が取れない土地のことです。 登記簿に所有者が見つ