鳩山由紀夫氏が政治家を志す前は応用数学の研究者であったことは比較的知られている。 工学博士である鳩山氏が、法学士や経済学士揃いの日本政界の中で異色な存在であったことは疑いもない事実だ。そのことから、あるいは政治に新しい風を吹き込んでくれるかもしれないと期待した人も多くいたようだが、そのことが必ずしも誤っているとはいえない。 とはいえ、それにもあくまで限度がある。たとえばアルベルト・フジモリ氏と李登輝氏に何がしかの共通点を見出すことはできるかもしれないが、まさかそのことの要因を、両氏が共に農学博士であることに見出す人はいまい。 しかし、こと相手が鳩山氏となると、その良識が途端に働かなくなる人が多いようだ。鳩山氏が学者時代に研究していたモデルの「マルコフ性」という性質*1からの牽強付会で鳩山氏の思想を説明しようとする俗論が広くはびこっているようだ。先日、佐藤優氏の「知の欺瞞」 - 吾輩は馬鹿で