草むらの中に、白い塊を見つけた時、一瞬、白骨化した鹿または猪の死体かと思った。 この地方は、昨年、羊蹄類の伝染病「口蹄疫」が発生し、大量の牛や豚が殺処分されたのである。 野生の大型獣の感染も皆無とはいえない状況であった。 だが、その連想は一瞬の幻像で、近づいてみると、それは巨大なシメジであることがわかった。 大げさにいえば、センボンシメジと呼ばれる株シメジ(シャカシメジ) を100倍ぐらいに拡大したような物凄いキノコである。 しかも、直径1メートルに及ぶ株が二株並立している。 がんじいは山の村で育ったから、子供の頃からキノコ採りも名人級で、祖母から教わった センボンシメジの群生地などは誰にも教えず、お気に入りの女の子を連れて行く時だけの 秘密の場所にしておいたり、気まぐれに籠一杯のシメジを採って来て 大人を驚かせたりしていたものである。 そのがんじいもこんな大きなキノコを見たのは初めてのこ
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