1990年代、まだヤクザ社会に活気が満ち溢れていた頃、一人のアメリカ人記者が日本の刑事と共にその社会の裏側を暴こうとした──。命を危険に晒しながらも、ジェイク・アデルスティーンは記事を書き続け、さらにその経験を綴った著書『トウキョウ・バイス: アメリカ人記者の警察回り体験記』を出版。そして、この度ついにドラマ化され(日本では「WOWWOW」で配信)、アメリカでも注目を集めている。 ジェイク・アデルスティーン(エーデルスタインとも表記される)は、靖国通りのジャズクラブに腰を下ろして言う。通りの向かいにはネオン街の迷宮が広がる。「読売新聞」で犯罪を報じていた1993〜2005年にかけて、アデルスティーンはそこで情報源に会い、ヤクザの行動を観察していた。彼はこの新聞社史上初の外国人記者だった。 「私はここによくきて、いかにも外国人らしく英字新聞を読みつつ盗み聞きしました」と彼は振り返る。 「でも