このコラムではさまざまな業界・応用分野でのRFID利用の現状について取り上げてきましたが、私の勤務先が属する国際物流業界については今までタイミングが合わず記事にする機会を逃してきました。ですが、これは国際物流におけるRFID関係の活動が低調であるということではありません。むしろ、ベンダーによる製品の提案、ユーザーを巻き込んだパイロット、標準化機関での議論など、Gen2規格制定前夜を思わせる活気のある分野になっています。 今回は国際物流業界でのRFID標準化に向けた活動、特に海上コンテナに関する活動の状況を、私の勤務先MTIがスポンサーになったEPCglobal香港ライブテストのレポートを交えて書きたいと思います。 海上コンテナでのRFID利用の特殊性 読者のみなさんは海上コンテナをご覧になったことはあるでしょうか。標準的な海上コンテナは高さ2.6メートル幅2.4メートル長さ12.2メートル