現在でもニーズがあるISDNが終了するのは、PSTNがIP網へ全面的に移行するためだ。なぜ移行する必要があるのか。移行はどのように進むのか。ISDN終了の背景と移行のスケジュールを解説する。 交換機が通信相手との間を結ぶ まずは現在のPSTNの構成から見ていこう。PSTNには、家庭や企業からの加入者線を収容する群局と、それらの局から県内や県外への通信を中継する県内中継局がある(図1)。群局は市町村に1~数カ所、県内中継局は都道府県単位で設置されている。 このうち、群局には加入者交換機が、県内中継局には中継交換機が設置され、これらの交換機が発信側と受信側の間に1本の回線を設定する。この回線を占有して両者が通信する仕組みだ。このような通信方式を回線交換方式と呼ぶ。 例えば、県外へ電話をかけるときは、まず加入者交換機が宛先の電話番号の情報を受け取り、県外の電話番号であるため中継交換機につなぐ▼。
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