町内放送が、「今夜は星が降りているので係の人はよろしくお願いします。」と言っていたので、私は脚立と虫取り網を持って外へ出た。 空を見上げると、いくつかの星がすぐ目の前まで降りてきているのが分かった。 ある星は私のすぐ上を仄かに光りながら漂っていた。家の屋根に引っかかって動けなくなっている星もあった。 私はそれらの星たちをひとつずつ網で掬っていった。一番難しかったのは庭の木の枝に挟まっている星だったが、木に登って枝を揺らすことでなんとか取ることができた。 周りにあった星を全て取り終え、一か所に集めて待っていると、しばらくして荷台に装置を乗せた一台のトラックが現れた。 私が運転手に星を渡すと、運転手は星を装置にセットした。装置は勢いよく回転すると、星を上空に投げ上げていった。 私が集めた星が全て打ち上げられると、トラックはまた次の場所へ移動していった。 周りを見渡すと、町のあちこちで星が打ち上