本稿の目的は、一般に「会話形式」と呼ばれる形式で書かれた文章を質的に分析し、それが書き手と読み手の間にどのようなコミュニケーションを成立させているのかを考察することにある。会話形式の文章は、新聞・雑誌等で日常的に見られるものであるにも関わらず、これまで体系的な研究は行われてこなかった。そこで第1章ではまず、本稿で扱う会話形式の文章とはどのようなテクストを指すかという点を明確にする。その上で、第2章では、文章形式全般についての研究や、会話形式で書かれたテクストを対象とする研究、フィクションの会話に関する研究を概観することを通して、本稿における研究方針を提起する。第3章ではこの方針に沿い、実際にメディアで公開された会話形式の読み物を対象として、架空の人物たちによるセリフのやりとりを分析する。データは、登場人物の役割関係を基に、予め次の三群に分類している。すなわち、Ⅰ群:質問者(Q)と回答者(A
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