初音ミク、「恋スルVOC@LOID」の誕生〜奇跡の3カ月(1)ユーザーが生んだ人格 ソフトウェアが人格を得るまで 丹治吉順 朝日新聞記者 (序章「初音ミク、誰も予想できなかった文化の誕生」から続く) 「部活みたいなものだったのに…」 「初期の初音ミクって、中学や高校の部活のような感じだったのに、今は世界規模ですものね。オリンピックみたいになっちゃった。なんだか実感が湧きません」 2007年の初音ミク周辺の動きと今とを比べながら、OSTER projectさんはいう。 当時、OSTERさんは大学2年生、パソコンを使った音楽制作を13歳のころから続けていた。ソフトウェアシンセサイザー音源探しは欠かせず、情報をよくネットでチェックしていた。 チェック先の一つだったクリプトン・フューチャー・メディアのサイトで初音ミクを見つけたのは、発売の8月31日から1週間ほど経った時期だ。サイトにある三つのデモ