端緒2020年の暮れに、50歳になった。 早いもので、ゲーム業界で仕事をするようになって25年近くになる。 ゲームデザイナーやらシナリオライターやらを長く続けていると、実現できずに眠ったままの企画書というのが手元にいくつかあるものだ。 今回の『Project:;COLD』も、そんな眠っていた企画書の一つだった。 そもそもは、昔から付き合いのあったプロデューサーの言葉がきっかけだった。 「収益化は度外視して、みんなが夢中になれるようなコンテンツを作りたい」 一人のゲームデザイナーとして、シナリオライターとして、その言葉に純粋にワクワクした。 まだ誰も挑戦したことがないシステムの上で、誰も見たことのない物語が展開していく。 そんなものが実現できたら、きっと楽しいだろう。 そのプロデューサーの在籍していた会社は新進気鋭のスマホゲーム開発会社で、ヒット作に恵まれて急成長の只中にあった。 彼に乞われ