ショットメーカーが陥りやすい パッティング・イップス皮肉にも、ベルンハルト・ランガーの苦悩は、1985年のマスターズ初優勝からだった。世界屈指のショットメーカー。そのアイアンショットの切れ味と正確さは、当時、誰もが認めるものだった。 全身真っ赤なウェアが話題になった85年優勝時のランガー(右)。皮肉にもランガーのパットの苦悩はここから始まった(左は前年優勝者のベン・クレンショー) “暗黒の欧州ツアー”と呼ばれた時代があった。1980年前後の約20年間である。ランガーを含めて、セベ・バレステロス、そしてニック・ファルド、サンディ・ライル、イアン・ウーズナムたちが「欧州ツアーを活性化させるには、自分たちが世界のメジャーに勝つことだ」と一丸となった。そして彼らは、それをやり遂げた。 ランガーの苦悩はパッティングの“イップス”だった。ショットメーカーが陥りやすいイップスである。ショットが精緻だから