最近、北朝鮮と中国の両国が、国境地帯の警備を強化している。それにより、携帯電話を使って中国・韓国と通話する人や密輸業者からワイロを取り立てるなどしてきた保安員(警察)、保衛員(秘密警察)、国境警備隊員が厳しい生活を強いられている。 両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋によると、毎年4月の特別警戒週間には国境の警備が強化されるが、今年は中央の命令で例年にも増して警備が厳しかった。新型の電波探知器に加えて赤外線探知機まで導入され、密輸も違法通話もいっそう困難になった。 咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋によると、会寧(フェリョン)、穏城(オンソン)など道内の中朝国境地域でも、状況は同じだという。 そのせいで、保安員や保衛員は収入がほとんど途絶えてしまった。
北朝鮮当局は、個人宅での商売を取り締まる方針を示した。個人宅で商売をされると、当局が大きな「税収」として期待している市場管理費を取りはぐれてしまうからだ。 咸鏡南道(ハムギョンナムド)のデイリーNK内部情報筋によると、最近、保安員(警察官)と人民班長(町内会長)が、家々をまわり、「4月から、自宅で商売をすれば取り締まる、商売をするなら市場でやれ」と通告している。「従わなかったり、不満を見せたりすれば、保安署(警察署)に引き渡す」と脅しをかけており、人々は不安を感じている。 税金のない国 両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋も、同様の状況を伝えた。
北朝鮮は連日、各メディアで興南(フンナム)肥料連合企業所(興南肥料工場)が多くの肥料を生産していると宣伝している。 朝鮮中央通信は先月26日、朴奉珠(パクポンジュ)総理が「最高指導者金正恩同志の今年の新年の辞で示された戦闘的課業を高く奉じ、自力自強の威力で5カ年戦略高地を占領するための全民総突撃戦を力強く繰り広げている興南肥料連合企業所、2・8ビナロン連合企業所、龍城(リョンソン)機械連合企業所の生産実態と生産能力拡張の状況を視察した」と報じている。 また、昨年11月27日の朝鮮中央通信も、朴総理が興南肥料工場を現地了解したと報じるなど、肥料生産に力を入れていると強調している。 「信じる方がバカ」 ところが、農民のもとには肝心の肥料がほとんど届いていない。
北朝鮮の金正男(キム・ジョンナム)氏殺害事件のうわさが、口コミで北朝鮮国内に広がりつつあることはデイリーNKジャパンでも報じているが、それに加え、マレーシア駐在のカン・チョル北朝鮮大使が国外追放されたことも知れ渡りつつある。当局は懸命にうわさの拡散を抑えようとしている。 情報に飢えている北朝鮮国民の口コミの伝播力には恐るべきもので、最高幹部のスキャンダルや失敗した反政府活動の顛末、大規模事故の修羅場などが、海外にまで詳細に伝わってくるほどだ。 (参考記事:美貌の女性の歯を抜いて…崔龍海の極悪性スキャンダル) 中国の情報筋によると、中朝国境地域の北朝鮮側では、当局が事件のうわさの拡散を防ぐため、監視と統制を強化し箝口令を敷いた。
中国国営の中国中央テレビが24日から突然、マレーシアで起きた北朝鮮の金正男(キム・ジョンナム)氏殺害事件の報道を始めた。同局は前日まで、この事件についてほとんど報じていなかったが、急に大きく取り上げるようになった背景に関心が集まりそうだ。 中国中央テレビの朝のニュース番組「朝聞天下」は午前7時台に約9分の時間を割き、平壌からの中継や韓国政府の反応などを含め、金正男氏殺害事件について詳細に報じた。また、昼のニュース番組「新聞30分」も、約6分間に渡り同事件について報道。マレーシアの警察長官が、金正男氏の遺体から猛毒のVXガスが検出されたことを伝えるなど、速報ぶりが目立った。 しかし、いずれのニュースでも金正男氏の実名は出さず、「北朝鮮国籍の男性」と言っている。 中国当局は事件発生翌々日の15日、国内メディアに事件についての記事を削除させるなど、報道統制に乗り出した。しかし、一部のメディアは実
北朝鮮の金正恩党委員長の異母兄の金正男(キム・ジョンナム)氏がマレーシアの空港で殺害されたというニュースは、北朝鮮国内でも徐々に広がりつつある。 平安北道(ピョンアンブクト)のデイリーNK内部情報筋によると、現地では「元帥様のお兄様(金正男氏)が殺された」という話が広がりつつある。中国に接している平安北道は、北朝鮮で最も情報が早く伝わる地域の一つだが、下手に口にすれば首が飛びかねない金氏一家に関する情報であるため、まだ「誰でも知っている」レベルには至っていないようだ。 通常、政治的に大きな事件が発生すれば、当局は住民全員を集めて政治講演会を開き、当局の見方や方針を伝えるが、今のところ開催されていない。その意図は不明だが、講演会など人の集まる場所は、当局に都合の悪い情報が拡散する場にもなるため、あえて開催していないことも考えられる。
北朝鮮の故金正日総書記の長男・金正男(キム・ジョンナム)氏が13日、マレーシアで殺害された。突然の事件にも関わらず、韓国メディアは異例の早さで対応。死因も犯人の招待も明らかになっていない状況のなか、さっそく北朝鮮の偵察総局による「暗殺」と半ば断定した上での強い論調が目立つ。偵察総局とは、北朝鮮によるテロやサイバー攻撃を総括する機関で、2009年に党と軍の特殊作戦組織を統合して設立された。 (参考記事:「喜び組」を暴露され激怒 「身内殺し」に手を染めた北朝鮮の独裁者) 2012年に亡命を打診 大方の見方の通り、正男氏が北朝鮮当局により殺されたと仮定した場合、最大の疑問は「なぜこの時期に殺されたのか」となる。2月16日の故金正日総書記の誕生日「光明星節」を控え様々な憶測があるが、韓国でまことしやかに囁かれているのが「金正男亡命説」だ。
「国家安全保衛部」といえば、金正恩氏に忠実な北朝鮮の秘密警察だ。住民の箸の数まで知っているというち密な情報網を駆使し、外国のスパイやその協力者をはじめ、国家に不満を持つ「反逆分子」を容赦なく叩き潰す。 捜査から逮捕、起訴そして死刑執行にいたるまで独自の司法権力を持ち、政治犯収容所の名で知られる「管理所」も運営。公開処刑の実行も担当してきた恐怖の代名詞的な存在だ。 レイプも頻発 北朝鮮がこの組織の名前を今年になって「国家保衛省」に変えた。6月29日に開催された最高人民会議(国会に相当)で、「人民武力部(国防省)→人民武力省」、「人民保安部(警察庁)→人民保安省」と共に、従来の「部」から「省」へと変更されたのだ。 この中で「国家保衛省」という呼び名だけが、北朝鮮の国営メディアで未確認だった。それが12月18日、初めて朝鮮中央テレビで使われると、翌日に韓国メディアが一斉に報じた。 北朝鮮ウォッチ
韓国が大スキャンダルに揺れている。朴槿恵大統領が国の機密文書を、崔順実(チェ・スンシル)という民間人の女性に漏洩していたのだ。国防、外交など、決して流出してはならない文書が外部に漏れたことで、韓国の政治、外交などに極めて重大な影響を及ぼすことが懸念されている。 崔氏をめぐる疑惑は2014年頃から報じられていたが、今月24日に韓国JTBCが、崔氏のタブレットPCから、朴大統領の演説原稿や、外交関連の文書など国家機密文書などのファイルが多数発見されたと報じたことで、ようやく「裏が取れた」形となった。翌日、朴大統領は流出は事実だったと認め、謝罪した。 仏教→カトリック→プロテスタント それにしても、この「親友」崔順実氏とはどういう人物で、なぜ朴大統領は、何の権限も与えられていない彼女に機密文書を渡していたのだろうか。それを解き明かすには、まず彼女の父である崔太敏(チェ・テミン)氏のことから説明す
今年8月、北朝鮮北部の国境都市で起きた「スパムメッセージ」事件。「朝鮮労働党のイルクン(職員)は何をしている!」、「イルクンは賄賂をもらってばかり!」、「無実の者は捕まえるな!」などと、独裁政党を正面から批判する差出人不明のメッセージが10余名の携帯電話に届いたのだった。受け取った住民の一人が当局に通報したことで、事件が明るみに出た。 「被害者」まで処罰 防諜と思想統制を担当し、残虐な拷問でどんな人間にも真実を白状させる秘密警察・国家安全保衛部が、すぐさま捜査を開始。住民に対し異例の「自己申告」を呼びかけ、メッセージが届いた携帯電話を没収する騒ぎとなっていた。通常、体制批判につながる事件は秘密裡に処理する北朝鮮当局も、携帯電話への無差別的な「攻撃」には住民の協力を仰がずにはいられなかったようだ。 それから2か月。捜査の推移を現地の取材協力者がデイリーNKに伝えてきた。前回と同様、取材協力者
北朝鮮は、8月末に上陸した台風10号(ライオンロック)によって発生した深刻な水害被害を「解放後初の大災難(建国以来の災害)」と公式にアナウンスした。しかし、その裏で被害規模を隠蔽している疑いが出てきた。どうやら、犯罪的な人災を隠そうとしているようだ。 「兵士も大量に死んだ」 北朝鮮当局には、大事故や災害が起こった際、国の体面を守るため、そして安全対策の不備を国内外から非難されないよう被害規模を隠蔽する悪弊がある。過去にも、橋梁の建設現場で500人が一度に死亡する地獄絵図のような大惨事が起きたにもかかわらず、事故の詳細は一切明らかにされなかった。 今回の水害について、国連の平壌常駐調整官室は先月14日、死者は138人、行方不明者は400人、被災者は14万人に上るとの発表を行った。朝鮮中央通信は先月6日、「死者60人、行方不明者25人」と報じながら、14日には「死者と行方不明者は数百人に達した
朝鮮労働党機関紙の労働新聞と、朝鮮中央通信は22日、金正恩党委員長が「核弾頭爆発実験の成功」に寄与したとされる関係者らと記念撮影を行ったとして、その写真を公開した(下の写真)。 自分の「ヘンな写真」も 見ての通り、あまりに人数が多く、このサイズの写真で一人ひとりの顔を判別することは難しいが、ここに写っている人々は間違いなく「金正恩時代のスーパーエリート」たちだ。 先軍政治が掲げられたかつての金正日時代、肩で風を切っていた軍人たちの権威は、正恩氏の時代になってすっかり削がれた。野戦軍人として最高位に上り詰めた将軍が見世物のように処刑されたり、追放されたりしている。 軍人に替わって最高指導者の寵愛を受けているのが、核兵器開発や弾道ミサイル開発に携わるエリートたちである。度重なる失敗もとがめられることなく、正恩氏の叱咤激励を受けながら核武装の実現のためにまい進してきた。 金正恩氏と「核弾頭爆発実
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