以前に読んだ、ダニエル・カーニマンのFast&Slowに出てきた、プライミング(事前刺激)、アンカリング、ハロー効果などの事例が紹介されています。一見、偶然に見える事象も、人間が関与するものには、こうした人間心理の影響のされやすさが大きな役割を果たしているようです。インフルエンサーというのがそれほど大きな影響を与えるものでなく、寧ろ影響されやすい人が他のされやすい人に影響を与えるかが重要、というのは感覚的に納得できるものがあります。既に、自分も影響されやすい、ということでしょうか。 物事が起こったあとで、それが自明なことであったように感じるのは、あと知恵バイアスと説明されています。ソニーのベータが、松下電器(現パナソニック)のVHSに何故敗れたのか、今から思い起こせば、当然の帰結のように感ぜられることも、当時の経営判断を下す場面では全く成り行きを予測できなかったことと、紹介されています。