Siに続く次世代のパワー半導体として,SiCとともに期待を集めていたGaN系パワー半導体素子(以下,GaN系パワー素子)。これまでは実用化の面でSiCの後塵を拝していたが,ついに2011年から市場投入されることが明らかになった。富士通は,同社のサーバー機向け電源のスイッチング素子として,GaN系トランジスタを採用する予定だ。GaN系パワー素子に関しては学会発表などが盛んだったが,具体的な用途と製品化時期が明示されるのは今回が初めてである。 GaN系パワー素子は,導通損失とスイッチング損失を抑制できることから,電源回路に応用すると,その電力損失を大幅に低減できる。しかし,コスト面や電気特性面などに課題があり,トランジスタの実用化が遅れていた。 今回,この状況が大きく変わった。GaN系トランジスタの積極的な事業化を目指すメーカーが現れたためだ。まず,富士通研究所が,GaN系HEMTとショットキ
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