科学技術の進歩のおかげで、我々、現代人は100年前には想像もできなかったような便利な社会に生きている。水道の蛇口をひねれば水が出てくるし、冷蔵庫をあければ食糧が出てくる。家に居ながらにして世界中のニュースが集まってきて、以前なら王侯貴族しか味わえなかった歌舞音曲をテレビ受像器で見聞きすることもできる。 いわば、怠けようと思えばいつでも怠けることを可能にした社会だ。 しかし、現代人はちっとものんびりした生活を送れていない。便利な道具のおかげで楽ができるはずなのに、かえって忙しさが増している。〈これはヘンだ。人間は怠けるためにさまざまな発明発見をし、進歩してきたはずなのに、怠けるどころか、クタビレテイルと感じている〉。 機械じゃないんだから、たまにはセッカチにならずにちょっと怠けてみてはどうだろう、と提案しているのが本書である。 「あくび指南」の必要性 ちょっと休むくらいのことは誰でもできそう
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