(英エコノミスト誌 2010年11月20日号) 日本が今後、世界に示す最大の教訓は、高齢化がもたらす成長鈍化作用に関するものかもしれない。 ハーバード大学教授のエズラ・ヴォーゲル氏は1979年に『ジャパン・アズ・ナンバーワン』という本を著した。ヴォーゲル氏はこの中で、力強い経済と結束力のある社会を持つ日本を、世界で最もダイナミックな工業国として描いた。 それから30年経った今、日本が示す教訓は、かつてのように勇気づけられるものではない。 苦境にある欧米諸国のエコノミストたちは、1990年の資産価格バブル崩壊以来日本を苦しめ続けているデフレに関するデータを必死に研究している。だが、日本のデフレは、もっと大きな病の1つの症状にすぎないかもしれない。 本誌(英エコノミスト)の今週の特集でも触れたように、日本経済から生気を奪っているその病とは、高齢化だ。抜本的な対策を講じ、高齢化し、縮小していく労