(英エコノミスト誌 2012年2月4日号) 中国の荒っぽい不動産市場と脆弱な地方財政の両方を安定させる方法。 中国経済はあまりにも巨大で、世界にとっての重要度があまりに高いため、中国の不動産市場がまだ思春期程度の若さだということを忘れてしまいがちだ。 今から20年前、都市部に住む大半の市民は、勤め先の国営企業が提供するオンボロ宿舎に入れられていた。それから数年で住宅建設ブームに火が付き、住宅所有の崇拝が中国人の心をつかんだ。 しかし住宅市場は大きく乱高下し、今では多くの大都市で物件価格が下落している。 こうした動きは中国の地方政府に大きな影響を与えている。地方政府は中国の公共支出の8割を担っているが、懐に入れるのは税収の半分だけだ。この差を埋めるうえで、地方は農家から土地を収用して強気な不動産デベロッパーに売却することに依存してきた。 だが、デベロッパーの経営が苦しくなるにつれ、土地の売却