発ガンには、増殖や生存に関わるシグナル分子に加えて、様々な転写因子も関わることが多い。 しかし、細胞内から核内へ移行するエストロジェン受容体などのようにエストロジェンと拮抗する化合物を用いることで、機能を阻害できる核内受容体分子を除くと、転写因子の機能を標的にする薬剤の開発は遅れている。 そこにサリドマイドの作用機序の研究から生まれた薬剤、すなわち転写因子にユビキチンリガーゼをリクルートして分解してしまう薬剤で、レナリドマイドなど骨髄腫に対する薬剤は成功した例と言える。 今日紹介するスタンフォード大学からの論文は、転写因子にエピジェネティックな転写活性因子BRD4をリクルートして活性化することで細胞を自殺に追い込む化合物の開発で、7月26日 Nature にオンライン掲載された。 タイトルは「Rewiring cancer drivers to activate apoptosis(ガンの
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