となりのわんこはいつもベランダにいる。 ずぼらな飼い主が、ベランダに放っておいて、となりのわんこはいつも寂しそうに壁の向こうのベランダでうろうろしている。 れいこんが洗濯物を干しにベランダに出ると、となりのわんこが壁の下のすきまから鼻先を出して、必死でこっちにこようとする。 「遊んであげたいけど、なんにもしてあげられないね」 僕とれいこんはとなりのわんこが気になって仕方がない。 わんこはお散歩にすら、連れてってもらってそうにない。 ベランダにずっと放ったらかしのわんこ。 わんこの鼻先が見えるたび、僕らは心を痛めてる。