そういえば、『ククーシュカ』というロシア映画をDVDでこのまえ見た。asin:B000HXE3I0 第二次大戦中にソ連がフィンランド侵攻した頃の話。そのフィンランド辺境で、ラップ人の若い未亡人が住む田舎屋に、いろいろあって前線から逃れてきたフィンランド兵そしてソ連兵がそれぞれ同時にかくまってもらう形になる。おもしろいのは、3人とも別の言語なので会話がまったく通じないこと。兵隊はもちろん敵同士であり、おまけにソ連兵はある理由からフィンランド兵をナチスドイツの一員だと誤解している。ラップ人女性をめぐる三角関係と嫉妬もわきあがる。彼女の死生観は現代人とちょっとずれたところもあったりする。 『山の焚火』というスイス映画をむかし見たが、たしか聾唖の弟に姉ひとりがつきそう場面がずっと続くので、台詞がほとんどなかった。「静謐」とはこの作品にこそ当てはめるべき言葉というかんじ。 それから、新藤兼人監督の『