子供手当をめぐって、相変わらずポイントのずれた論議が、国会でもマスメディアでもネットでも巷でも続いている。「子供手当で出生率を上げよう」と言っている人も、「子供手当では子供は増えない」と批判している人も、どれほど不毛な議論をしているか、頭を冷やして考えてみてはどうか。 民主党の子供手当は、子供を増やすための政策ではない。そうであるはずがない。 子供を増やすことが目的であれば、これから生まれる子供に限定して手当てを支給するのが最も効果的だ。ところが現行の子供手当の大部分は、既に生まれている子供の親に行く。もう生まれてしまった子供を対象にお金を配っても、これから生まれる子供の数が増えるわけがない。 既に生まれている子供達は、お金を配ろうが配るまいが現にもうそこにいるのだから、今後の出生率には関係ない。関係ない人にまでお金を配るのは、(出生率向上が目的なのであれば、)税金のムダ遣いである。5兆円