取材中、「すべてを諦めています」とも言ったトシキさん。それでも、後になって「正社員になって自分の障害をちゃんと理解してくれる職場で働きたい。そして、人間関係に恵まれて楽しく毎日仕事がしたい」と自身の希望をつづったメールを送ってくれた(筆者撮影) 現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。 今回紹介するのは「パワハラでこれまでに15社以上転職を繰り返してきました」と編集部にメールをくれた27歳の男性だ。 【写真】「死んだほうがいいのかなと思い続けてきた」と訴えるトシキさん ■「むかつく」「消えればいいのに」 ブラック企業からの洗礼やパワハラ地獄を味わってきた――。発達障害のひとつ自閉症スペクト