親や、その交際相手による子どもへの虐待が後を絶ちません。その原因を最新の脳科学的視点から明らかにしようという試みが始まっています。動物の行動に関する調査や最新の脳科学的実験によって、動物の親が虐待に走りやすくなる要因がわかってきました。もし同じことが人間にも言えるのなら、その要因を取り除いたり、その要因に合わせた支援をしたりすることで、虐待を減らすことができるのではないか。3児の母でもある脳科学者の挑戦です。 (さいたま放送局記者 浜平夏子) 脳科学者、黒田公美さん。肩書は「理化学研究所親和性社会行動研究チーム」のチームリーダーです。 わかりやすく言うと、研究しているのは「親子関係」。子育てに関わる脳の部位をマウスの実験で明らかにしました。 その部位は、脳の視床下部の前方にあるごく小さな部位、「内側視策前野中央部」です。 この部位の機能を抑制すると、それまで子育てをしていた母親マウスでも子