7月10日からトルコのイスタンブールで開催されている世界遺産委員会。15日に軍の一部がクーデターを企てたことを受けて一時審議を中断。審議は17日に再開され、審議の案件を制限して17日で終了となることが決定していたが、17日午前の審議で「国立西洋美術館」が世界遺産に登録された。 今回の登録は日本にとって初めての他国との共同登録であり、また日本初の戦後の建築物の登録、さらには東京23区初の世界遺産、と意外なことに初物づくしである。5月の諮問機関からの登録勧告以降、にわかに脚光を浴びた「国立西洋美術館」だが、まだ十分に知られているとは言えない世界遺産としての価値などを、世界遺産に詳しい世界遺産アカデミー/世界遺産検定事務局の研究員・本田陽子さんにうかがった。 ――以前登録勧告された際には「国立西洋美術館」の建築的な特徴や設立された経緯についていろいろお聞きしました(こちらを参照)。今回は登録の経