私が、自分が同性に惹かれていることを初めて意識したのは、小学四年生の時だった。同級生への強い胸の高鳴りを感じながら、必死にその思いを打ち消していたことを思い出す。そして、それから成長するにつれ、私は孤独感を増していった。いつもその時々に良い友人がいながらも、「周りと違う」という意識がつきまとっていた。家族の中でもそうだった。思春期はもっとも孤独感に苛まれた時期で、ゲイ雑誌を通じてゲイと出会うようになっても、同じような人は非常に数少ないと思い込み、どこか空虚感を抱えていた。 そんな私にとって、その孤独感や空虚感を薄れさせてくれたのが、ゲイバーが多く集まる街、新宿二丁目(以下、二丁目)だった。二丁目に足を運び始める少し前から、ゲイ解放運動のグループに顔を出したり、HIV/AIDSの市民活動に参加したりして、同じ志を持つゲイ仲間と出会い力づけられる経験をしてはいた。しかし、数多くの様々なゲイと出