ドイツ南部ののどかな村、シュタインガーデン。そのオーストリア国境近くのアルプス山麓にあるヴィース地区に、巡礼教会が立っています。 このヴィースの巡礼教会はロマンティック街道沿いの草原にぽつんと佇む白亜の教会。奇跡の教会と呼ばれる秘められた伝説をもつスポットとして知られています。この教会の正式名称は「鞭打たれるキリストの巡礼聖堂」です。 1983年、ヴィースの巡礼教会は、人類の創造性を結集した傑作として、その文化的価値の高さを認められ、世界文化遺産として登録されました。 奇跡の伝説 「鞭打たれるキリスト像」と呼ばれる像が主祭壇に飾られています。このキリスト像には涙を流したという伝説が残されています。 見捨てられたキリスト像1730年に聖金曜日の聖体行列のために、修道士たちによって作られた寄木造のキリスト像。関節部分は麻布で覆われ赤い彩色が施されています。鎖に縛られ血と傷をもつ像の哀れな姿に動