■危機の時こそ未来創造を 世界的な金融危機と、それに端を発した経済危機に直面して、主要国の政府の存在感が増すばかりである。金融機関への公的資金の資本注入は世界中あわせていずれ100兆円を超えるだろう。アメリカでは総額7870億ドル(約77兆円)の景気対策法案が成立。GMとクライスラーは、あわせて174億ドルの公的融資を受けたが、さらに巨額の追加支援を要請しており、公的支援がどこまで膨らむかよくわからない。 そんな中、ベストセラー「フラット化する世界」の著者トーマス・フリードマンは、ニューヨーク・タイムズ紙コラム(2月21日)で次のように主張した。 市場での競争の敗者を救済するのはアメリカの流儀ではない。GMとクライスラーには破産法を適用し、新しい経営者、新しい労使協定、新しいビジョンのもとで再出発させるべし。仮に200億ドルもの貴重な資金をもし公的支援にあてるのなら、新しい企業の創出に使え