「天国に一番近い男」「日本最強のクライマー」と呼ばれる世界的な登山家、山野井泰史さん(43)が17日、東京都奥多摩町の自宅から約2キロ先でクマに襲われ、顔や腕をかまれるなど重傷を負った。感染症を発症しなければ全治1、2カ月という。 青梅署や搬送先の病院などによると、山野井さんはこの日午前6時ごろ、自宅を出発して遊歩道をジョギング。約1時間後、山梨県境に近い奥多摩湖の北側の山中で親子とみられるクマ2頭と出くわし襲われた。「クマに鼻付近を食いつかれて放さなかった。ケリを入れたりしたが、これ以上抵抗するともぎ取られると思い、抵抗をやめたら力が抜けたので脱出した」という。 重傷ながら約30分かけて自力で下山。妻が旅行中で不在だったため、自宅向かいの民家へ駆け込み、救急車とヘリで青梅市内の病院に搬送された。「鼻は骨がもげており、皮一枚でつながったような状況だった」(病院)といい縫合など約5時間もの手