人はなにを「同じ」と思って「違う」と思うのか――「盗作」を問うことは、言語学の根本問題!? そして、盗作にも上手い、下手がある!? 話題の『盗作の言語学』著者、今野真二氏にお話を伺った。(聞き手・構成/山本菜々子) ――今回は、『盗作の言語学』著者の今野先生にお話を伺いたいと思います。本を読んでいると、「盗作かどうか」自体の判断をすることに禁欲的な印象を受けました。 そうですね。タイトルだけみると、「盗作かどうかを言語学で判断する」という本だと思われる方がいるかもしれません。ですが、これは盗作だ!間違いない!とか、けしからん!と言うところに焦点はありません。 文芸作品には盗作騒動がよく起こります。なぜ私達読み手はそれを「似ている」と感じるのでしょうか。それを言語学的に読み解いてみようとしたのが本作です。 ですから、すでに出来上がっている短歌や俳句を改変もせずそのまま自分の名前で出す「盗作」