米国はいま、空前の地ビールブームに沸いている。醸造業者の数は140年前のピークを超え、販売額も急伸する。地域に根ざした小さな業者がつくる独特の香りや味わいが、大手のビールでは物足りない人々を引きつけている。大手メーカーは危機感を強め、買収に動き始めた。 販売額10年で4.4倍 地ビール業者「ヘルムズ・ブルーイング」は、マットレス店などが並ぶガレージのような建物の奥にある。映画「トップガン」の舞台となった、米南西部サンディエゴの海兵隊ミラマー航空基地近くにあり、広々とした倉庫のような室内に醸造用のタンクが並ぶ。 平日の午後に訪ねると、醸造所を兼ねたバーで、10人ほどの客がビールグラスを片手に談笑していた。会計士のダン・コラムさん(39)は「大手のビールはほとんど味がしない。濃いめのダークビールが気に入っている」と話した。 マネジャーのマット・ジョンソンさん(30)は2012年、造船所で働きな
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