薬局距離制限事件(やっきょくきょりせいげんじけん)は、広島県福山市で薬局を開設することを同県に申請した者が、広島県(以下、地方公共団体としての広島県は「県」と略記)から不許可処分を受けたことを不服として提訴した行政処分取消請求事件である。 1975年(昭和50年)4月30日、薬事法第6条第2項の規定は違憲無効であり、不許可処分も無効であるとの判決が最高裁判所より言い渡された。日本国憲法下で最高裁判所が言い渡した史上2例目の法令違憲判決である[注釈 1]。 原告の株式会社(以下「原告会社」と略記)は地元の福山市に本店を置き、福山市や広島市でスーパーマーケット・化粧品販売業・薬品販売業などを経営している会社であった。原告会社は広島県福山市築切町263番地[注釈 2]、「くらや福山店」に薬局を設置することを県福山保健所に申請した。しかし、申請の後、県の回答が出される前に薬事法(現・医薬品、医療機