「ノーベル賞を日本に盗まれた」−。イタリアの物理学会が日本の小林誠、益川敏英両氏へのノーベル物理学賞授賞に激しく反発していることが9日、分かった。伊主要紙によると、その理由は両氏の理論の基礎をつくったとされるローマ大教授の“落選”。ノーベル賞は受賞を3人以内と規定している。そのためこれまでも、重要な貢献をしながら選に漏れた学者が、異議をとなえる事態が度々起こってきた。 日本人3人が独占受賞した今年のノーベル物理学賞に対し、イタリア国内で疑問の声が巻き起こっている。8日付のイタリア主要各紙は、今回の受賞をヒステリックに1面で報じた。 「ノーベル賞、引ったくり」(ラ・ナツィオーネ紙)「カビボ氏への賞をはく奪、彼が称賛されるにふさわしい」(コリエレ・デラ・セーラ紙)。 カビボ氏とはイタリア人物理学者のニコラ・カビボ・ローマ大教授(73)。そのカビボ氏が受賞を逃したことを疑問視する声はテレビ