コロナ禍の間にこっそりと 山梨県笛吹市にある石和温泉といえば、高度経済成長期からバブル期にかけて全国随一の歓楽温泉として人気を集めた温泉地だ。そんな「京浜の奥座敷」で、“異変”が起きている。 平日、石和温泉を訪れると、人通りはまばら。全国旅行支援の延長が決定したとはいえ、外国人はおろか、日本人観光客も少ない。居酒屋やスナックが立ち並ぶメインストリート、さくら温泉通りは静かで寂しい印象だ。 そのウラで活発な動きを見せる者たちがいた。ホテル旅館経営研究所所長の辻右資氏が明かす。 「'22年12月上旬に、さくら温泉通り沿いのとあるホテルが中国人に3億円で売却されることが決まったばかりです。年商5億~6億円はあったのですが、日本人オーナーが高齢になったため引退するということで売りに出されたそうです」 辻氏によれば、ここへきて中国資本による東京近郊の温泉地にある旅館やホテルの買収が加速度的に進んでい