ほかの仕事は考えもしなかった。岩手・久慈市の実家は生まれるずっと前から、ジーンズショップを営んでいた。宮城学院女子大に在学中、着物の着付け師の資格を取得。「子供の頃から店番で接客にも慣れていたので、自然とこの仕事に入れました」。2004年4月、宮城県の老舗百貨店「藤崎」に入社。希望通りに呉服売り場に配属され8年目となった。 入社当時は言葉の意味や知識など客から教わることも多かったが、それを糧に成長できた。「お客様に対しては、必ず目を見てあいさつします。浴衣の帯の結び目の形など自分なりの発想をお見せできるようにしています」。呉服売り場の魅力は、客の人生の節目に携わることができ、何世代にもわたって続いていくところだという。「お客様から、『ぜひ、この人にコーディネートをお願いしたい』と言われるような存在になりたいです」 入社以来、毎年5月に仙台市内で開催される「青葉まつり」に参加。社内の約50人