跳んだり跳ねたり、ただハデなだけのプロレスは物足らない。深みのある、陰影の深い、かつてのプロレスが好きだ。そういった年季の入ったプロレスファンに贈る新企画。1回目には、1980年代、日米マットを席巻したザ・グレート・カブキさんにご登場いただいた。 きっかけはブロディとの再会 アメリカ中西部のカンザスをサーキットしていた1980年暮れに、ブルーザー・ブロディがやってきて、こう言うんですよ。「お、久しぶりだな。ところで、お前のところに電話はなかったか?」。聞くと南部のテキサスでマネジャーのゲーリー・ハートが私のことを探していると。 そこでゲーリーに長距離電話をしたところ、「ダラス(テキサス州)に興味があるなら、こっちで試合をしないか」と誘われ、ちょうどカンザスでの待遇にあまり満足していなかったので、南部に下りていくことにしたんです。 年が明けてダラスのゲーリーの事務所に行くと、出迎えた彼がある