仮に,ユーザーの位置情報を1日中収集すれば,自宅,勤務先はもちろんのこと,昼食の場所,仕事での訪問先,帰宅時に立ち寄った場所などが把握できる。技術的には「自宅に戻る途中に,毎日パチンコ屋に寄っている」といった他人に知られたくない行動までを事業者側に集められる。 ここで,ユーザーの行動履歴を活用する際のガイドラインや法令が決まっていれば,事業者はその基準に基づいてサービスを開発し事業を展開できる。ところが,今のところライフログの取り扱いについて明確な基準がない。 個人の情報を扱う法律としては「個人情報保護法」があるが,これは名前や住所,電話番号といった個人を特定可能な情報を,企業や組織が収集し利用する際の基準を定めたものである(図1)。移動履歴や購買履歴といった情報はこのデータから個人を識別できない限り,個人情報保護法の対象外となる。 事業者はライフログの活用を自粛 政府や社会規範に裏打ちさ