新聞が縦書きの文章のなかに算用数字をまぜるのは、いまではすっかりふつうのことになった。しかし依然として見苦しい。 その前には、漢数字の単位抜き表示をやっていた時期がある。「四十五」を単位の十を抜いて「四五」と書く方式である。これになじんだ人にかかると「それから二三年後」を「それから二十三年後」とよまれかねない。 なお、「二三年後」の二と三のあいだに点を入れて「二、三年後」と書く人もあるが、これはいけない。点は、そこで一呼吸おく符号である。「二三年後」は一口に言うことばである。「二」で一拍おいて「三年後」と言うのではない。 「子供四五人」が「子供四十五人」と解されてはぐあいがわるい。 そこで小生、毎日新聞が算用数字を採用した時に「漢数字単位抜きよりは誤解がないだけましだ」と言ったことがある。しかし見苦しいことはいつまでたっても見苦しい。新聞以外のふつうの文章が模倣すべきことではないが