長崎のシンボル・平和祈念像の作者、北村西望(1884~1987年)の祈念像制作時の試行錯誤を物語る資料が、長く住んだ東京都北区の旧アトリエで見つかった。区文化振興財団が発表した。現在の座像とは違う立像とするスケッチなどが含まれ、専門家は制作の経緯を伝える貴重な内容と評価している。(鈴木里奈) 財団によると、北村は1950年に長崎市から記念碑制作を依頼され、北区内の自宅兼アトリエで構想を練り始めた。見つかった資料のうちスクラップブックは表紙に「平和像(1)」とあり、1950~53年のスケッチや試作像の写真、新聞記事などを収めている。