会社とは、必ずしも経営者ばかりのものではない。当然、株主も経営に対して口をはさむ権利を持っている。そこで今回は趣向を変えて、株主(特に筆頭株主やファンドのように株券を多く所有している立場)から、どのように会社を見ればいいのかを検討してみたい。今回、例に挙げる会社は NEC である。 なぜ NEC か。それは同社が典型的な日本的企業の一つだからだ。知名度は高く、技術も、体力もある。売り上げも多い。にもかかわらず損益は分岐点ぎりぎりのところをうろうろしている。これは意思決定のスピードが遅いとか、事業構造にムリ・ムダ・ムラが多いとかいった内的な要因によるところが大きいと考えられるが、まさにその点において「日本的」なのだ。 下の図を見てほしい。日本を代表する大手電機メーカーの業績比較である。 三菱や東芝、富士通は近年、業績を伸ばしている。それに対して、売り上げが10兆円に届くかという大企