政府は4月9日、日本銀行券(E1万円券、E5千円券、E千円券)と500円硬貨の様式変更(以下「改札」)を公表した。2024年度上期をめどに新紙幣と硬貨を発行する予定だという。前回の改札は2004年11月なので、20年振りの一大イベントである。財務省によれば、その目的は「偽造抵抗力の強化等」とされている。 日本の紙幣・貨幣製造技術は世界に冠たるものがあり、通貨偽造被害は諸外国に比べ非常に少ないが、安住してはいられない。近年の技術進歩を勘案すれば、偽造する側のスキル向上は容易に想像できるからだ。例えば画像の解像度。デジカメの画素数は2004年頃の400万画素前後から、現在は3000万画素以上に向上している。印刷技術では、通常プリンターの解像度向上に加え、3Dプリンターが普及しつつある。こうした複製技術の向上を踏まえれば、今回、政府・日銀が3Dホログラムなど最先端の技術を導入して、偽造に強い通貨