牧太郎の大きな声では言えないが…:普通においしい? 東京・新橋のバス停前。とあるラーメン屋に列ができている。 列の最後尾の若者に「ここ、うまいの?」と聞けば「普通においしいですよ」 普通においしい? よく分からないが……ともかく並んだ。 うまかった。太麺。味はこってり。5枚も入っている「海苔」はバリバリとして最上品なのだろう。隣り合った、例の若者に「うまいじゃないか?」と言うと「そうでしょ」と笑っている。 何か、彼とは日本語が通じたような、通じないような……会社に戻って、この奇妙な経験を同僚に話すと「普通においしい、というのは、すごくおいしい!という意味ですよ」。 エッ、本当なのか? 普通の「普」は「並」の下に「日」と書く。「並」は横に広がることを表し「通」はあまねく知れ渡っているという意味。だから広辞苑で「普通」は(1)ひろく一般に通ずること(2)どこにでも見受けるようなものであること…