1961年に三重県名張市で女性5人が毒殺された名張毒ぶどう酒事件で、再審を求めて最高裁に特別抗告している奥西勝死刑囚(87)が、収容されている八王子医療刑務所(東京都八王子市)で意識不明となっていたことが21日、わかった。 奥西死刑囚の特別面会人の稲生昌三さん(74)が明らかにした。 稲生さんによると、奥西死刑囚は19日午前3時頃、血中酸素濃度が低下し、血圧も下がった。人工呼吸器で酸素吸入するなどの緊急措置が取られ、体調は持ち直した。現在も鎮静剤により意識がない状態といい、稲生さんは「危機を脱したとはいえ、予断を許さない状態に変わりはない」と話している。 奥西死刑囚は今年5月にも、呼吸が弱くなって危篤状態に陥ったが、その後は、問いかけにうなずいたりするまで体調は戻っていた。